Pythonの基本として始める事は、どのプログラム言語でも同じでしょうが、まずは文字列の表示や使い方、数値の表示や使い方、変数の使い方を覚える事からになります。文字列の表示はprint(), 数値の表現には 2進数 bin(), 8進数 oct(), 16進数 hex(), の種類があるので順番に覚えていきましょう。文字列にはエスケープシーケンスという特殊な文字列もあります。
文字を画面に表示する print()
Pythonで文字を画面に表示させるにはprint()関数を使用します。print()関数を使用すると()の中に記述された数値、文字列が画面に表示されます。文字列はシングルクォーテーション「’」やダブルクォーテーション「”」で挟んで記述します。
print("Hello, World!")
a = 1.98
print(a)
print(980)
実行結果
Hello, World!
1.98
980
文字列や数値が表示されています。
コメントを記載する
プログラムの中に説明文(コメント)を記載しておくことができます。
1行のコメントを記載する
「#」を記載すると、その行末までがコメントになります。
#このようにコメントが記載できます。コメントはプログラムとして認識されません。
複数行のコメントを記載する
複数行のコメントを記載することも出来ます。「”」ダブルクォーテーションや「’」シングルクォーテーションを3つ並べて挟み込むことで、挟み込んだ範囲がすべてコメントとして認識されます。どちらの記号を使用してもよいです。
"""
このようにコメントが記載できます。
コメントはプログラムとして認識されません。
ダブルクォーテーション3つで挟み込んだ範囲がコメントになります。
"""
'''
このようにコメントが記載できます。
コメントはプログラムとして認識されません。
シングルクォーテーション3つで挟み込んだ範囲がコメントになります。
'''
プログラムの記述
プログラムは1行に1つの文を記述するのが基本ですが、1行に複数の文を記述したり、複数行に1つの文を記述することも出来ます。
1行に複数の文を記述する
セミコロン「;」で文と文を区切ると1行に複数の文を記述することができます。
#セミコロンで区切ると複数文を1行に記述できます。
a = 10; b = 3; c = a*b; print(c)
実行結果
30
1行に複数文を記述しても、正しく実行されています。
1文を複数行に分けて記述する
1文が長い場合やプログラムを分かりやすくしたい場合は、複数行に分けて記述することができます。Windowsの場合は行末に「\」、Mac等の場合は「\」半角のバックスラッシュを記述します。
#1文を複数行に分けて記述する場合は行末にバックスラッシュを記述する。
a = 50 \
* 10 \
+ 100
print(a)
実行結果
600
1文を複数行に渡って記述しても、正しく実行されています。
文字列と数値
文字と数値の記述方法を説明します。
文字列リテラル
文字の並びを文字列リテラルといいます。文字列は、「”」ダブルクォーテーションや「’」シングルクォーテーションで挟み込むことで記述します。全部で4つの表現方法がありますが、どの方法を使用しても記述できます。
"文字列です。"
'文字列です。'
"""文字列です。"""
'''文字列です。'''
数値リテラル
整数、浮動小数点数、虚数を記述できます。
・整数リテラル 1,5,235,など
・浮動小数点数リテラル 1.41,3.14,など
・虚数リテラル 4j,3.5j,など(数値の最後に「j」を記載することで虚数を表現します)
print(3)
print(3.14)
print(5j)
実行結果
3
3.14
5j
2進数,8進数,16進数,10進数の表現 0b,0o,0h
プログラムでは2進,8進,16進で表現した方が便利な場合があります。各進数の表現と変換方法を紹介します。2進数では「0b」、8進数では「0o」、16進数では「0x」を接頭に記述することで、各進数の表現ができます。
10進数 | 2進数 | 8進数 | 16進数 |
---|---|---|---|
21 | 0b10101 | 0o25 | 0x15 |
56 | 0b111000 | 0o70 | 0x38 |
234 | 0b11101010 | 0o352 | 0xea |
#10進数の「24」を、2進数、8進数、16進数で表現していますが、画面に表示させると全て同じ値です。
ad = 24
ab = 0b11000
ao = 0o30
ah = 0x18
print("全部同じ数です",ad,ab,ao,ah)
実行結果
全部同じ数です 24 24 24 24
各進数で表現した値を画面に表示させると全て同じ値、24です
10進数から2進数,8進数,16進数への変換 bin(),oct(),hex()
10進数から2進数・8進数・16進数へ変換するための関数が用意されています。
関数 | 意味 | 入力値の型 | 出力値の型 |
---|---|---|---|
bin() | 2進数へ変換 | 整数 | 文字列 |
oct() | 8進数へ変換 | 整数 | 文字列 |
hex() | 16進数へ変換 | 整数 | 文字列 |
print("21の 2進数表記は ",bin(21))
print("21の 8進数表記は ",oct(21))
print("21の16進数表記は ",hex(21))
print("-21の 2進数表記は ",bin(-21))
print("-21の 8進数表記は ",oct(-21))
print("-21の16進数表記は ",hex(-21))
実行結果
21の 2進数表記は 0b10101
21の 8進数表記は 0o25
21の16進数表記は 0x15
-21の 2進数表記は -0b10101
-21の 8進数表記は -0o25
-21の16進数表記は -0x15
Pythonで10進数の負数をbin(),oct(),hex()で各進数の文字列に変換すると、補数形式ではなく絶対値にマイナス符号が付いた形で返されるので使用時は注意が必要です。
2進数,8進数,16進数から10進数の変換 int()
2進数・8進数・16進数から10進数へ変換するにはint()関数を使用します。
関数 | 意味 | 入力値の型 | 出力値の型 |
---|---|---|---|
int() | 各進数から10進数へ変換 | 文字列 | 整数 |
print("正の 2進数から変換 ",int(0b10101))
print("負の 2進数から変換 ",int(-0b10101))
print("正の 8進数から変換 ",int(0o25))
print("負の 8進数から変換 ",int(-0o25))
print("正の16進数から変換 ",int(0x15))
print("負の16進数から変換 ",int(-0x15))
実行結果
正の 2進数から変換 21
負の 2進数から変換 -21
正の 8進数から変換 21
負の 8進数から変換 -21
正の16進数から変換 21
負の16進数から変換 -21
符号付きで各進数から10進数へ変換されています。
エスケープシーケンス
文字の中には1文字で表現できない特殊な文字があります。また、特殊な機能を持つ文字列もあり、プログラムで記述する時は、Windowsの場合は「\」、Mac等の場合は「\」半角のバックスラッシュを最初に記述して他の1文字と組み合わせて使用します。これらをエスケープシーケンスといいます。エスケープシーケンスには以下のものがあります。print()関数と一緒に使用します。
記号 | 意味 |
---|---|
\t | 水平タブ |
\v | 垂直タブ |
\f | 改ページ |
print("あい\tうえお")
print("あい\vうえお")
print("あいう\fえお")
実行結果
あい うえお
あい
うえお
あいう
えお
記号 | 意味 |
---|---|
\n | 改行 |
\r | 復帰 |
print("あい\nうえお")
print("あいう\rえお")
実行結果
あい
うえお
えおう
復帰「\r」は、「あいう」まで出力した後にカーソルが先頭に戻り「えお」の文字を上書きしています。
記号 | 意味 |
---|---|
\b | バックスペース |
print("chocolate")
print("choco\blate")
print("あいう\bえお")
print("あいう\b\bえお")
実行結果
chocolate
choclate
あいうえお
あいえお
バックスペース「\b」は半角1文字分、カーソルが戻ります。バックスペースの直前の文字が全角文字の場合はバックスペースを2つ使用しないと、1文字分戻りません。
記号 | 意味 |
---|---|
\’ | ‘ |
\” | “ |
\\ | \ |
print("あいう\'えお")
print("あいう\"えお")
print("あいう\\えお")
実行結果
あいう'えお
あいう"えお
あいう\えお